白内障

白内障の初期症状には、進行を遅らせる点眼治療を行い、経過観察をします。ある程度進行が進み、日常生活に支障をきたすようになってしまうと手術の必要があります。
しかし、見え方や白内障の進行具合には個人差があるため、「視力がどれ程以下になれば手術をする」といった画一的な尺度はありません。患者さまご本人が見づらくなり、普段通りの暮らしが不便になったのであれば、手術をすることをおすすめします。

白内障の手術についてのQ&A

Q

手術までの来院数はどれくらいですか?

A

予約をされてから2~3回の来診していただきます。以下の流れをご参照ください。
(1)手術を行う前に、全身状態の確認(採血、ほかの病気で病院にかかっている場合は薬のチェック)や、白内障以外の目の疾患の有無を調べるための詳しい検査をします。
(2)ご本人と身内の方を含め、インフォームド・コンセント(手術の説明)を行います。そこで手術の日程を決めます。
(3)手術を実施します。
※手術を予約してから手術当日までは、1カ月程度の余裕を持って準備にあたります。

Q

手術後の来院数はどれくらいですか?

A

手術後1週間は毎日通院していただき、経過観察を行います。その後は経過を見ながら来院頻度を減らし、月に1回程度の経過観察を行います。

Q

手術後すぐに見えるようになりますか?

A

基本的には手術後すぐに視力回復効果が見られますが、白内障の程度が比較的強い方は、手術後の炎症のために視力回復までに1週間ほどかかることもあります。

Q

手術の際に痛みはありますか?

A

点眼麻酔と前房内麻酔を行った上で手術をしますので、痛みはほとんど感じません。

Q

乱視は治りますか?

A

程度の強い乱視の場合には、乱視矯正用の眼内レンズを使用して矯正します。

Q

合併症はどのようなものがありますか?

A

いくつかの合併症が考えられます。
(1) 後嚢破損:眼内レンズを挿入するための水晶体の袋(=嚢)が破れる状態です。この場合には眼内レンズを縫い付ける手術が必要となることがあります。
(2) 感染症:どの手術でも起こりうる合併症ですが、手術の傷口から菌が入ってしまう状態です。頻度は非常に低い合併症ですが、術後の視力に影響を与える重大な合併症と言えます。術後は感染症を起こさないように点眼薬をしっかり使っていただき、2週間は保護用の眼鏡を寝る時もかけていただく必要があります。

Q

再発しますか?

A

再発はしませんが、眼内レンズを入れる嚢ににごりが出る(後発白内障)場合もあります。その際はレーザーによりにごりを除去する治療を行います。術後にごりが出ないよう点眼治療を継続することが重要です。

Q

白内障と診断されたら、すぐに手術をしたほうがいいですか?

A

白内障と診断されてもすぐに手術をしなくてはいけない訳ではありません。日常生活に不便がない程度であれば、進行を遅らせる点眼剤を使用していただき、その後の経過観察を行います。見づらさが増し、生活に支障をきたすようであれば、手術の相談をさせていただきます。

Q

白内障手術後に当日でも一人で帰れますか?

A

手術後は眼帯を着用されるため、ご自分で車や自転車を運転されたりすることはおやめください。お一人での徒歩での帰宅もお避けください。ご家族の方に送っていただくかタクシーで帰られることをおすすめします。また、手術当日から翌日にかけては安静にしていただく必要があります。

Q

仕事はいつからできますか?

A

一般的には、デスクワークであれば手術後数日~1週間後に始めていただけます。ただし、肉体労働など身体を動かす仕事の場合、2~3週間程度お休みいただくこともあります。

Q

お化粧はいつからできますか?

A

手術後1週間はお化粧をお休みしていただくことをおすすめします。

Q

手術前後はスポーツなど体を動かしてもいいですか?

A

手術2日後に来診された際に、5~10分程度の散歩をしていただける判断をいたします。手術後4~5日後には30分程度の散歩ができるようになりますが、徐々に体を慣らしていきましょう。なお、水泳やゴルフなどのスポーツは、手術後1カ月程度はご遠慮ください。

白内障の原因について

白内障の主な原因は加齢だと言われています。加齢に伴い水晶体の細胞内に含まれるタンパク質が酸化し、徐々に白く濁っていきます。そのため網膜まで光が届きにくくなったり、反射して眩しさを感じたりします。この酸化には加齢だけではなく、紫外線、放射線、薬、熱、衝撃や他の病気による影響もあります。

白内障の種類

白内障には先天性白内障と後天性白内障の2種類があります。

・先天性白内障
生まれながら何らかの原因で水晶体が濁っている状態です。進行するケースはほとんど無く、日常生活に支障がない場合治療は行いません。濁りが強く日常生活に支障をきたす場合は手術を行う必要があります。

・後天性白内障
後天性白内障には加齢性白内障と併発白内障である糖尿病白内障・アトピー白内障・網膜色素変性症などに分けられます。日常生活に支障がない状態であれば進行を遅らせる点眼で治療、日常生活に支障をきたす場合は手術の必要があります。

白内障の初期症状について

瞳が白く濁っているところを想像するかもしれませんが、初期の白内障は白い濁りはなく、肉眼で外から判断できる要素はありません。また、視力の低下も自覚できるほどなく、とても初期の段階で気づくことは難しい病気です。症状が進むにつれて、徐々に自覚症状が現れます。

(白内障の見え方)
水晶体が白く濁ってしまうため、白く霧がかったように見えます。

白内障セルフチェック

以下のような症状がいくつかある方は白内障の可能性があります。
ご自身でチェックしてみましょう。

✔︎ ご自身の年齢は50歳以上
✔︎ 急に目が悪くなった気がする
✔︎ 読書で疲れる
✔︎ 天候によって見えにくくなる
✔︎ 左右の目で見え方が違う
✔︎ 老眼だったのに治った気がする
✔︎ 自動車免許更新に引っかかった
✔︎ メガネが合わなくなった
✔︎ 視界が重なって見えることある
✔︎ 暗い場所では特に見えにくい
✔︎ 距離感がなくなった気がする
✔︎ 離れたところにいる人の顔が見づらい
✔︎ 糖尿病である
✔︎ 長期間ステロイド剤を使用している

白内障を放置するとどうなるか

結論から言うと失明の可能性があります。白内障を放置することで水晶体が膨らみ、隅角が塞がります。すると眼球内の水分を排出できなくなり、眼圧が急激に上昇するため急性緑内障を引き起こす原因となります。緑内障は日本の失明原因のトップであり、急性緑内障での視野欠損は二度と元に戻すことはできません。

手術後について

基本的に術後の翌日からよく見れるようになります。
視力がなかなか回復しない場合は、眼内レンズの見え方に脳が追いついていなかったり、進行した白内障手術では手術に時間がかかり角膜にむくみが生じ、数日間見えづらかったりということもあります。また、場合によっては、網膜に他の疾患があり、回復が思わしくなかったりする場合があります。その他にも手術によって水晶体の濁りが急に取れるため、少しまぶしく感じたり、白内障の濁りで元々気にならなかっただけで飛蚊症という症状を発症しており、濁りが改善することによって視界に黒いものが飛んでいる、水晶体の黄色味を帯びた濁りが改善され青い光が入りやすくなることで、少し見え方が青みがかって見える(片目のみの手術の場合に多い傾向にあります)こともあります。

※飛蚊症はまれに網膜剥離の前兆の場合もあるため、医師に相談することをおすすめします。青みがかって見える場合に関しては日を追うごとに改善していきます。

白内障を予防するには? 

白内障は発症したら必ず手術をしなければならないものではありません。早期発見できれば点眼(目薬)によって進行を遅らせることも可能です。また、ご自身で予防を行うことも可能です。では、ご自身でできる予防と対策を見て行きましょう。


・糖尿病などの生活習慣病にならないよう気をつける
糖尿病になると若くして白内障のリスクが高まります。普段の食生活を見直し、適度な運動を取り入れることで生活習慣病にならないよう気をつけましょう。


・強い赤外線や紫外線を避ける
溶鉱炉で働く方やガラス職人は、強い赤外線を日々浴びることで白内障になりやすいことが知られています。一般の方では強い赤外線を浴びる人は少ないと思いますので、紫外線の方が問題です。近年、オゾン層の破壊により紫外線量は増えています。外出時はサングラスをしたり、つばの広い帽子を被ることで紫外線の影響を抑えるだけでも白内障の予防につながります。

ご相談はお気軽に

目のことでお悩みでしたら、春日井市にある眼科山田クリニックまで、まずはお気軽にお問い合わせください。

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